はじめに
Suno AI には、既存の曲から新しい曲を生み出すための機能が複数用意されている。しかし Remix・Inspo・Mashup・Sample はそれぞれ目的と動作が異なるため、混同しやすい。この記事ではそれぞれの違いを整理する。
4機能の比較表
| 機能 | 入力 | やること | 元曲との関係 |
| Remix |
1曲 |
既存曲を変換する(Cover / Extend / Reuse / Speed) |
元曲を直接変形。構造が残る |
| Inspo (Inspire) |
プレイリスト(最大4曲) |
プレイリストの「雰囲気」を分析し、まったく新しい曲を生成 |
緩やかなインスピレーション。メロディ・構成は新規 |
| Mashup |
2曲 |
2曲を融合して第3の曲を生成(「創造的衝突」) |
2曲のハイブリッド |
| Sample |
1曲の特定区間(30秒) |
選んだフレーズを種にして、まったく新しい曲を構築 |
特定の瞬間に固定されるが、それ以外は新規生成 |
Remix — 「この曲自体を変える」
Remix は最も古くからある機能で、1つの既存曲に対して以下の4つのワークフローを提供する。
- Cover: 別のスタイルやジャンルで歌い直す
- Extend: 曲の続きを生成して延長する
- Reuse: 歌詞やスタイルを再利用して別バージョンを作る
- Speed: テンポを変更する
元曲の構造がある程度保持されるため、「同じ曲の別バージョン」を作りたい時に使う。
Inspo (Inspire) — 「これらの曲の雰囲気で新しい曲を作る」
2025年7月、v4.5+ で追加された機能。自分が作った曲のプレイリストを参照元として、ムード・テンポ・楽器構成などの音楽的特徴を AI が分析し、それに基づいた全く新しい曲を生成する。
使い方
- Create → Custom Mode で「+Inspo」ボタンをクリック
- 自分の曲が含まれるプレイリストを選択
- 歌詞とスタイルプロンプトを入力して生成
ポイント
- プレイリストには自分が作った曲が最低1曲必要(他人の曲だけでは使えない)
- プレイリストに入れられるのは最大4曲
- アルバムやシリーズもので統一感のあるサウンドを作りたい時に特に有効
- Inspo はあくまで「雰囲気」の参照なので、スタイルプロンプトも併用することで精度が上がる
Mashup — 「この2曲を融合する」
2026年1月20日に追加された機能。Suno はこれを「MAFO (Mashup As a Form Of)」哲学と呼んでおり、DJ的なスプライスではなく「創造的衝突エンジン」と位置づけている。
使い方
- 曲の「…」メニューから「Mashup」を選択
- もう1曲を選んで組み合わせる
- Audio Influence スライダー: どちらの曲寄りにするか調整
- Weirdness スライダー: 実験度を調整(低い=安定、高い=予測不能)
ポイント
- ジャンルが異なる2曲を掛け合わせると面白い結果になりやすい
- Weirdness は最初は低めから始めて徐々に上げるのが良い
- Persona は現在使用不可(制限事項)
Sample — 「この特定の部分を元に構築する」
2026年1月28日に追加されたベータ機能。Suno は「partial Cover(部分的カバー)」と表現している。既存曲の波形ビューから30秒の区間を選び、そのフレーズを種として新しい曲を構築する。
使い方
- 曲の「…」メニューから「Sample」を選択
- 波形ビューで使いたい30秒区間をドラッグして選択
- Audio Influence スライダー: サンプル元の影響度
- Style Influence スライダー: スタイル(ジャンル・雰囲気)の影響度
ポイント
- キャッチーなフック、気に入ったグルーヴ、印象的なコーラスなど、部分的に良い箇所を活かしたい時に最適
- Remix との違い: Remix は曲全体の変形、Sample は断片から全く新しい曲を作る
- Persona は現在使用不可(制限事項)
どれを使うべき? フローチャート
既存曲から新しい曲を作りたい
├─ 同じ曲の別バージョンが欲しい → Remix
├─ 自分の曲群の「雰囲気」で新曲を作りたい → Inspo
├─ 2曲を掛け合わせたい → Mashup
└─ 特定のフレーズだけ活かして新曲を作りたい → Sample
まとめ
- Remix = 変形(元曲の構造が残る)
- Inspo = インスピレーション(雰囲気だけ参照、全て新規)
- Mashup = 融合(2曲の衝突から第3の曲が生まれる)
- Sample = 断片活用(30秒の種から新曲を育てる)
それぞれ目的が異なるので、作りたいものに合わせて使い分けると、Suno での音楽制作の幅が大きく広がる。